夏休みに入って早速風邪です。shinです。
shinは今バイトをしていない設定です。
というのは、前のバイトでライブハウスのバーテンをしていたのですが、そろそろ忙しくなってきたので辞めさせてください、と結構頑張って言った一言を0.2秒で却下され、月に2・3度お手伝い程度に今も顔出しているという、中途半端な感じで今に至っているからです。
そんな数少ないバイト日に風邪が悪化しました。
shinは扁桃腺持ちで、その日ものどが何かおかしかったのですがそんな事はいつもの事でもあったので気にせず出勤。
新しい女の子がバイトに入っていて、今日はその子と一緒です。
小柄でかわいいお嬢さんです。
途中までは普通に仕事していたのですが、だんだん風邪の症状が悪化してるようでした。
…何か具合悪いぞ…?
グラスとか洗うと水の冷たさのせいで悪寒がする。
初めて会ったバイトの子に、「(風邪で)気持ち悪い」とネガティブな発言を繰り返してしまいました。
グラスの回収とか食器洗いが出来そうにもなく、その子に頼んでずっとバーの接客をさせてもらうことにしました。
shinはいつも、バーに誰も来ないときは見るからにローテンションですが、お客さんがこっちを向いてる時には素晴らしく笑顔で接客をするというお仕事スタイルです。
つまりお客さんは笑顔のshinしか知りませんが、一緒に仕事をしているスタッフは割とやる気のない顔したshinを見る方が多いという、スタッフに誤解されやすいスタンスで仕事しているわけです。
今回はそれの突き進んだバージョンでした。
具合が悪いために出てきたブラックshinが、心の中でむくむくと大きくなります。
お客さん「シャンパンある?」
shin 「ありますよ~。ちょっと待ってて下さい」
ブラック(面倒なもん頼むじゃねぇよ…)←取り出しにくいんです。
お客さん「ウソ~、おれと同い年じゃーん」
shin 「え、本当に!?見えないんですけど(笑)」
ブラック(お前の年とか普通に興味無いわ!せめて誕生日が一緒
とか位になってから言えっ)
シャンパンを受け取ったお客さんは、何故かshinに向かってボトルのふたを開けようとします。
―うざいっ!!(あ、ブラックの意見ですよ?)
こっちはもうフラフラなんです。
立ってるのもつらいくらい悪化してるんです。
どうして注文し終わったらさっさとどっか行ってくれないんですか。
外から見ただけだと完璧に笑顔なshinに、お客さんはボケ返せとばかりにボトルを渡してくれます。
もちろんそこはお客さんに向けて笑顔でボトルを構えたのですが、目が少々本気なshinに気付いたのか、shinの背後に渦巻く殺気を感知したのか、shinからサッとボトルを奪還すると仲間のもとへ帰って行きました。
バイトの子に思わず「出すもん出してさっさと帰れよな…」と喝つあげのようなセリフを漏らすと、彼女は
「あっはっは!確かに~!!」
と、共感しちゃうんだ!?と逆にこっちが引くくらい爆笑していました。
そこまで具合悪くてもスタッフの人に言い出さなかったのは、彼らがshinが例え重い荷物を持っていようが
「よし、shin、頑張れ!おまえは強い子だ」
などと言って決して手伝わない人でなしばかりだからなのですが、今回はもう終わりの時間帯だったし、多分新しいバイトの子が伝えてくれたかなんかして、少し早めに帰してもらうことができました。
駅で思わず座り込むくらい具合悪くなっていたshinが、やっとの事で家に帰って、とりあえず妹に助けを求めました。
妹は寝てました。
そしてこいつは、寝起きは最強に機嫌が悪くなる人なのです。
「具合悪い…」
「風呂入ってさっさと寝ろ。」
やっとのことで家に帰ってきたshinにトドメを刺す気なのでしょうか。
体温計で高熱があることを証明すると、ぶつぶつ言いながらもお粥を作ってくれました。
でもこいつは、その後体中が痛くて助けを求めて妹の名前を呼び続けるshinの声を、キレイに無視しました。
ひどい。
少し回復してから、なんで無視したのか聞いてみると、
「あたしに出来る事なんてないじゃん。お粥食べたらさっさと寝る以外で治んないし。早く寝りゃいーのに、ちっとも寝ないんだもん。うるさかった。」
ですよねー。お騒がせしました。