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shin 「セバの事、ブログに書いたけどいい?」
セバ「何だと!?何書いたんだよッッ!」

思いっきりの事後報告を、久しぶりのメールでされたセバはすごい警戒しました。

S「まだ何にも書いてないよ~。読んでる人だって、誰もセバのこと知らないし。」
セ「…っていうか、私は君のブログじゃ『セバスチャン』なのか!?色物サイトかよ!」
S「失礼な奴だな、君は。私のサイトですよ?そんなん…
  色物に決まってます。」(きっぱり)

セ「失礼なのはお前だろ!!」

少し前のさちとのやり取りを思い出し、「これが普通の反応なんだろうな…。」と何となくしんみりしたshinです。

ちなみに、本文を読んでセバは特に怒るべき事はないと判断してくれたようです。
さらには、「このペースで帰国まで書く気か?」と、筆者のような心配までしてくれました。

大丈夫、普通に楽しかった思い出なんか書きませんよ。飛ばします。
色物サイトですから。(根に持ってるのか?)

 
そんな色物サイトは、たとえ時間が10分単位でしか進まなかろうと、ネタさえあれば書くんです。

だから今回も、例えイギリス本土に足を踏み入れることなく終わろうと、飛行機機内での一コマを書き切りますよ!

さて、ようやく空港に着いた一行ですが、実は少し焦っていました。
理由は忘れましたが、着いたのが飛行機の時間ギリギリだったんです。

リーダー「急いで!飛行機の席が取れないかもしれない…!」

何でそんな事になっちゃったんでしょうか。よく分かりません。
とにかく急いで、受付のお姉さんに聞きます。

「あの、この便なんですが、まだ大丈夫ですか?」

お姉さんは、申し訳なさそうに口を開きます。

「すみません。ご搭乗頂くことは出来ますが、席は離ればなれになってしまいます。それでもよろしいでしょうか?」

我々に選択肢はありません。

もらったチケットはランダムに私達に配られて、一路飛行機の搭乗口へ。

ここでチケットの席位置を見てみると、確かに全員連番というわけにはいかなかったですが、全体的には一か所にまとまっています。

―1人を除いて。

もう皆さんにはお分かりですね。
そう、shinです。

shinの席は前から3番目くらいの位置。
そしてshin以外は後ろから3番目くらいの位置に固まっています。

…shinには何かあるのでしょうか。
―仲間はずれの神様が、shinに一目惚れでもしたのでしょうか?
―それとも昔ミミズをひと結びにして縛ったことを、あのミミズはまだ怒ってるんでしょうか。

一応リーダーが「代ろうか?」と言ってくれましたが、こっちもそこまで子供なことは言えません。
「大丈夫です。」と答えておきました。
shinはこれでも海外には過去2回、飛行機には何度も乗ったことのあるツーリストなんです。
経験者は未経験者に譲ってあげなければ。

が。

座って2秒で、shinは代わってもらえば良かったと早くも後悔しました。

shinは窓側の3列シートの真ん中でした。

好きな時にトイレに行ける権利も、窓の外の景色を見てワクワクする自由も、どっちもない味気ない席です。

窓際には、少し強面の、ドイツのサッカー選手カーン氏に似た若い外人。
そして通路側には、ごっつ気難しそうな英国紳士。

レベル違いの2人に囲まれて、か弱いshinの脳裏に、ある思いがよぎります。

―寝れない。

海外に行ったら、自分の荷物から目を離したりすれば一瞬で荷物は持ち去られます。
自己責任ですから、同情の余地すら認めてもらえません。

shinの隣は外人二人。
つまり、shinはそんな世界に住んでいる人々に、今囲まれてるわけです。
一瞬でも意識を失ったらいけません。

この時、shinは半日以上ある飛行機の搭乗時間中、一睡もしないことを誓ったのでした。

『離陸します。シートベルトの確認を…。』

アナウンスが流れました。shinはすでにシートベルトを締めてますが、その合図とともにしなければならない事がありました。

shinは気圧に弱いんです。

離陸前から耳を塞いでおかないと、気圧の変化のせいでその後ずっと頭痛を抱えたまま旅行を続けなければならなくなります。

ずっと手を浮かせたまま耳を塞ぐのは疲れるので、shinはかがむようにしてヒジを足の上にのせて“耳をふさぐ体勢”になりました。

いきなりかがんだshinを見て、隣のカーンが驚いてる気配がします。

―カーンの心の中―(勝手にアテレコ)
(おいおい、何なんだこのジャパニーズは。さっきいきなりかがんだかと思ったらその後、ぴくりとも動かなくなったぜ。
気になるけど俺は日本語喋れねーし、その体勢じゃ聞くに聞けねえ。けど、気になるぜ…っ)

―shinの心の中―
(まいったな、カーンみたいな人、何か気にしてるよ。
でも聞かれてないのに説明するのも変だし、第一英語でなんて言えばいいんだよ…。気まずい…。)

言葉の壁を越えて通じ合う二人の気まずい雰囲気は、飛行機の高度が安定するまで続きました。

高度が安定すれば手を放しても大丈夫なshin。ここでする事が無くなりました。
でも寝るわけにもいきません。

さっきから、カーンがこっちを気にしてるような気がしてならないのです。

今思えば、見知らぬ外人の、しかも成人男性2人に挟まれて座ってた事で、shinは思った以上に緊張してたんだと思います。

何か気を紛らわす事をしなくては。

そしてshinは、飛行機の座席についているゲームの中から、テトリスを選んで飛行時間を潰すことにしました。

しかし、その選択がshinとカーンを意外な方向へ導いたのでした。
(深夜に更新して、起きて改めて見たらやっぱ長すぎるので、後編に続く。)

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